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2008年4月22日 (火)

山口県光市母子殺害事件

本村洋が記者会見をしていた。

そこにいた本村洋はもはや「遺族」ではなかった。

記者会見のたびに感情を爆発させていた「遺族・本村洋」ではなく恐ろしいほどに理路整然とした「評論家・本村洋」である。

「遺族・本村洋」は、想像を絶する暗闇からの脱出の手段として「評論家・本村洋」になることを選択したのかもしれない。

にもかかわらず彼の見る暗闇の色が薄まったようには思えない。自己を客体視した結果、彼は「遺族・本村洋」にとって「余計」なはずの元少年の更生可能性や元少年の死にに伴う自己の充足感への疑問を抱えざるを得なくなった。

「評論家・本村洋」をわずかに支える理論は、刑罰とは人の生命を奪ったならば自らの生命をもって償う決まりであるという怪しげな命題である。

しかし、彼からこの理論を奪い取ってはならない。

結局、死者4人を生じさせようとするこの事件の照らし出すものは、

人間の生死について真剣に考えなければならなくなった者の、

答えの出ぬ計り知れぬ苦しみである。


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